[公開日] 2023年4月17日 [最終更新日] 2025年1月20日
国立がん研究センター
- 国立がん研究センターは、日本有数のがん治療・研究センターであり、2つの病院と1つの研究所を擁しています。
- 国立がん研究センター中央病院(東京・築地)と国立がん研究センター東病院(千葉・柏)のベッド数はそれぞれ 570床と460床(合計1030床)です。
- 国立がん研究センター研究所では、基礎研究を中心に研究業務を担っています。 また、日本国内だけでなく海外の学術研究機関や製薬会社と連携したトランスレーショナルリサーチ(TR)も数多く実施中です。
当センターのビジョンと強み
早期薬剤開発から承認申請までのサポート
- First-in human国際共同第I相試験等に参加し、First-in-class・Best-in-classの医薬品、新しい治療法の開発を初期段階からサポートします。
- 基礎研究及び早期臨床試験におけるTR、個別化医療に繋がるがんゲノム医療の拠点となっています。
- 国立がん研究センター研究所は薬剤開発の初期段階からTRを実施しており、外部機関(学術研究機関、コンソーシアム、製薬会社等)と緊密に連携・協力しています。
国立がん研究センター中央病院における企業主導治験と研究者主導治験
- 実施している治験の約90%が企業主導治験であり、約60%が国際共同治験です。
- 第I相試験(特にFirst-in human試験)を最優先に運用しています。
- 医師主導治験 (Investigator Initiated Trial: IIT)は、希少がんと小児悪性腫瘍を対象としたものが多くなっています。
近年の第I相試験の傾向
様々な種類の第I相試験
- 固形がん対象
の第I相試験 - がん種別対象
の第I相試験 - 血液腫瘍対象
の第I相試験 - 小児がん対象
の第I相試験 - バスケット
第I相試験 - アンブレラ
第I相試験 - プラットフォーム
第I相試験
治験参加において重要なもの
- がんゲノムプロファイリング検査の結果
- 腫瘍生検が可能な病変
登録症例拡大コホート
- 用量漸増バックフィルコホート
- 拡大コホート
国立がん研究センター中央病院における早期薬剤開発体制
国立がん研究センター中央病院におけるFirst-in human試験
- 2013年、固形がんの早期薬剤開発を集約すべく先端医療科を設立しました。
- 先端医療科はがん種を問わず、固形腫瘍の第I相試験(特にFirst-in human試験)を実施しています。
先端医療科の第I相試験の実績
- 2019年、本邦において、がんゲノムプロファイリング検査が保険償還されるようになりました。
- 治験に参加されている患者さんの約95%において、第I相試験参加前にがんゲノムプロファイリング検査が実施されています。
先端医療科のFirst-in human試験の実績
- 38件のFirst-in human試験のうち8件(21%)がFirst-subject-inを達成しました。
- 38件のFirst-in human試験のうち26件(68%)が投与開始コホートから参加しました。
First-subject-inと投与開始コホート達成の要点
- 国立がん研究センター中央病院の実施体制
- ●患者登録を円滑にするための強固な院内連携
●がんゲノムプロファイリング検査の高い実施頻度(95%)
●迅速な倫理審査委員会の審査
・2021年度の審査期間は平均29.0日
- 日本における産官学連携体制
- アッヴィ、ノバルティス、ベーリンガー、イーライリリーなどの企業との連携
国立がん研究センター及び日本における医薬品開発
- 本邦規制当局(PMDA)との緊密な連携関係
- ●10名以上の職員がPMDAとの人材交流を経験しています。
- TRの環境
- ●研究所が病院と同一敷地内に存在します。
●多くのヒト由来の組織検体が集積されており、共同研究に活用可能となっています。
- がんゲノム情報管理センター(C-CAT)
- ●全国規模のゲノムデータベースを製薬会社、バイオテクノロジー企業、学術機関が利用可能です。
First-in human試験における腫瘍生検の成功率
- 生検の成功率
- 治療前の生検: 98.6%
- 治療中の生検: 94.2%