[公開日] 2018年8月9日 [最終更新日] 2024年11月26日
目次
安全性と有効性を評価する臨床試験
抗悪性腫瘍薬には、細胞傷害性悪性腫瘍薬(いわゆる抗がん剤)、分子標的薬、免疫療法薬・免疫作用薬があります。新しい抗悪性腫瘍薬が誕生・開発され、患者さんへの有効な治療薬として登場してくるためには、安全性(副作用)と有効性(効果)の評価が必要です。安全性と有効性は、患者さんに治療として参加・協力していただく臨床試験によって評価されていきます。抗悪性腫瘍薬の開発と発展のためには、臨床試験が必要です。
治験は、「治療試験」、「治療の臨床試験」の通称です。医薬品の製造(輸入)承認の申請や医薬品の了承事項の一部変更の申請を目的としています。未承認の薬を患者さんに投与し、安全性(副作用)と有効性(効果)を確認して、医薬品としての製造や輸入などの認可を得るために行われます。製薬企業が依頼者(未承認薬の開発を担当)であることがほとんどです。
将来の患者さんの選択肢を広げる
こちらのビデオでは、臨床試験のひとつである治験(第I相試験)について、そのメリットやデメリット、参加方法などをアニメーションを使ってわかりやすく解説しています。治験は患者さん自身の重要な選択肢になるだけでなく、同じ病気を持つ他の患者さんの治療に貢献できる可能性があります。ぜひご視聴ください。
治験(第I相試験)の流れ(入院/外来)
治験(第I相試験)に実際に参加する場合の流れを、入院前、入院中、退院後それぞれの場面ごとに解説しています。
リバーストランスレーショナル研究とは
近年、急速に進む抗がん剤の開発では様々な作用を持つものが開発されていますが、開発段階では有望と期待された抗がん剤の候補でも、思ったように効かない場合が多くあります。そこで、治療前だけではなく、抗がん剤を投与した後の患者さんの血液やがん細胞を分析することが重要になってきます。投薬後の血液やがん細胞を分析することで、効果のあった抗がん剤を検証したり、逆に効果のなかった原因などを調べたりする研究がされており「リバーストランスレーショナル研究」と呼ばれています。