[公開日] 2020年3月18日 [最終更新日] 2025年5月8日
論文発表:New England Journal of Medicine
当科の山本 昇医師らの研究成果がNew England Journal of Medicineに掲載されました。
当科が参加した国際第 Ia-b 相試験において、経口HER2特異的チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ゾンゲルチニブがHER2変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に投与されました。特にチロシンキナーゼ領域(TKD)の変異を有するコホートでは有望な結果が得られており、TKD変異を有するHER2陽性NSCLCを対象としたコホート1のうち120mgを投与された75例では、中央判定による客観的奏功割合(ORR)71%(95%[CI]: 60–80)でした。薬物抗体複合体(ADC)製剤投与歴のある、同様のTKD変異を有するHER2陽性NSCLCを対象としたコホート5においても、中央判定による客観的奏功割合(ORR)48%(95%[CI]: 32–65)と報告しました。
*試験中に推奨用法用量を120mgと判断されました。
論文発表:Journal of Clinical Oncology
当科の山本昇医師らによる論文 (最終著者)がJournal of Clinical Oncology誌に掲載されました—HER2特異的TKIゾンゲルチニブ、第Ia相試験で良好な安全性と有効性を確認
当科が参加した国際第Ia相試験(Beamion LUNG-1)では、経口HER2特異的チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ゾンゲルチニブを固形癌105例に投与し、最大耐量(MTD)には達せず、Grade≥3の有害事象は10%と忍容性良好でした。奏効率は30%(非小細胞肺癌では35%)、奏効持続期間中央値は12.7か月で、推奨用量は1日1回120mgまたは240mgであることを報告しました。
研究発表:「ドラッグ・ロスの実態調査と解決手段の構築」研究班
当科の佐藤潤医師が研究代表者を務めている令和6年度厚生労働科学特別研究事業「ドラッグ・ロスの実態調査と解決手段の構築」研究班が、欧米では承認されているが国内では承認されていない医薬品のうち国内開発未着手の医薬品(ドラッグ・ロス品目)の情報整理の結果を公表しました。
学会発表:ESMO-TAT 2025
ESMO-TAT 2025(ESMO Targeted Anticancer Therapies Congress 2025)にて、当科の佐藤潤医師がポスター発表を行いました。
講演:日本希少疾患コンソーシアム2024年度年会
当科の佐藤潤医師が、2025年2月21日に開催された「日本希少疾患コンソーシアム2024年度年会 産官学官民で迫るドラッグ・ロスの核心 ~希少疾患の患者さんに新薬を届けるために~」に登壇し、「ドラッグ・ロス -希少疾患と希少フラクション」という講演を行いました。
論文発表:ScienceDirect
当科のレジデントの上原悠治医師らによる論文がESMO Real World Data and Digital Oncolog誌に掲載されました。
本研究では、2020~22年に、がん遺伝子パネル検査後に国立がん研究センター中央病院に治験目的で紹介された進行固形腫瘍患者1,127例を対象に、通院費と治験参加状況の関連を調査しました。遺伝子変異に関連する治験への参加率が往復通院費100ドル未満で13%、100~200ドル未満で9%、200ドル以上で6%へと有意に低下しました。また、遺伝子変異が関連する治験の参加者では初診予約から治験開始までの期間が中央値21日と短かったのに対し、遺伝子変異が関連しない治験では31日でした。これらの結果から、高額な通院費が遺伝子変異が関連する治験へのアクセスを阻害している可能性が示唆されました。
講演:第37回抗悪性腫瘍薬開発フォーラム
当科の佐藤潤医師が、2025年2月15日に開催された「第37回抗悪性腫瘍薬開発フォーラム アジアの中の日本の立ち位置〜日本がリーダーになるために〜」に登壇し、「日本における薬剤早期開発の現状(アカデミアから)」という講演を行いました。
論文発表:Cancer Science
当科の勝屋友幾医師らによる論文が「Cancer Science」に掲載されました。
講演:第8回PMDAレギュラトリーサイエンス研究会
当科の佐藤潤医師が、2024年11月19日に開催された「第8回PMDAレギュラトリーサイエンス研究会〜RSの視点からドラッグ・デバイスのロス・ラグ問題を考える〜」に登壇し、「抗がん剤による有害事象の民族差についての解析」という講演を行いました。
施設訪問:アメリカ国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)
当科の山本昇医師と小山隆文医師とらが、2024年11月25-26日、アメリカ国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)を訪問し、当科の研究内容をご紹介する等、現地の研究者の皆様と交流を深めました。
Frontiers in Medicine 2024
当科の佐藤潤医師らによる論文が「Frontiers in medicine」に掲載されました。薬剤性肺障害(薬剤が原因で生じる肺臓炎/薬剤性間質性肺炎など)について、日本/欧州/米国における発生頻度に差があることを示唆する研究結果です。
FDA(Food and Drug Administration;米国食品医薬品局)の公開する副作用報告データベースを利用しており、大規模な実臨床データ(リアルワールドデータ)を解析したものとなります。
APODDC 2024
当科の小山隆文医師と佐藤潤医師が、シンガポールのNational Cancer Centre Singaporeで開催されたAPODDC(Asia Pacific Oncology Drug Development Consortium) Forum 2024に参加しました。
学会発表:AACR 2024
米国癌学会(American Association for Cancer Research (AACR)Annual Meeting)2024にて、当科の勝屋友幾医師がポスター発表を行いました。
- Abstract CT062: A phase 1 study of tamnorzatinib (ONO-7475), an Axl/Mer dual inhibitor, alone and in combination with nivolumab in patients with advanced or metastatic solid tumors
学会発表:ESMO 2023
ESMO(欧州臨床腫瘍学会:European Society For Medical Oncology)2023にて、 当院研究支援センター生物統計部所属の佐立崚医師と、当科の岡田真央医師がポスター発表を行いました。
- #1880: Regional differences in drug-induced lung disease (DILD) caused by anticancer drugs between the US, EU and Japan: a large-scale data-based analysis using the FDA Adverse Event Reporting System (FAERS)
- 岡田先生のレジデント時のインタビュー動画も公開しております。
学会発表:ASCO 2023
ASCO(アメリカ臨床腫瘍学会:American Society of Clinical Oncology)2023にて、当科に2022年4月〜6月の間、レジデントとして所属されていた上原悠治医師がポスター発表を行いました。
- Impact of patient travel time on disparities in precision oncology clinical trials. Yuji Uehara, Takafumi Koyama, Yuki Katsuya, Jun Sato, Noboru Yamamoto; Department of Experimental Therapeutics, National Cancer Center Hospital, Tokyo, Japan DOI: 10.1200/JCO.2023.41.16_suppl.3113
- PDFはこちらから
- 上原先生のレジデント時のインタビュー動画も公開しております
また、当科の小山隆文医師もポスター発表を行いました。
- Exploratory novel biomarker and resistance mechanism of milademetan, an MDM2 inhibitor, in amplified MDM2 intimal sarcoma from an open-label phase 1b/2 trial (NCCH1806/MK004). Takafumi Koyama, Toshio Shimizu, Yuki Kojima, Kazuki Sudo, Hitomi Sumiyoshi Okuma, Tatsunori Shimoi, Hitoshi Ichikawa, Shinji Kohsaka, Akihiko Yoshida, Naoko Matsui, Kenichi Nakamura, Noboru Yamamoto, Kan Yonemori DOI: 10.1200/JCO.2023.41.16_suppl.11544