[投稿日 : 2025年3月3日]
当科のレジデントの上原悠治医師らによる論文がESMO Real World Data and Digital Oncolog誌に掲載されました -通院費増で遺伝子変異に関連した治験への参加率が低下する可能性
当科のレジデントの上原悠治医師らによる論文がESMO Real World Data and Digital Oncolog誌に掲載されました。
本研究では、2020~22年に、がん遺伝子パネル検査後に国立がん研究センター中央病院に治験目的で紹介された進行固形腫瘍患者1,127例を対象に、通院費と治験参加状況の関連を調査しました。遺伝子変異に関連する治験への参加率が往復通院費100ドル未満で13%、100~200ドル未満で9%、200ドル以上で6%へと有意に低下しました。また、遺伝子変異が関連する治験の参加者では初診予約から治験開始までの期間が中央値21日と短かったのに対し、遺伝子変異が関連しない治験では31日でした。これらの結果から、高額な通院費が遺伝子変異が関連する治験へのアクセスを阻害している可能性が示唆されました。